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断章-第二幕- 解放される力 断章-第一幕- イグジスター戦争からしばらく後、たまたま立ち寄った オドネル・タウンにおいて、レイビーとゲイルは ゲボラ・マフィアの横行と残虐性の高い犯行の跡を目撃。 数々の協力と情報により、相手が警察とすら手が出せないほどの 凶悪集団である事が発覚したため、義の名に基づき、 イノを中心とした主力編成で、奇襲攻勢を仕掛ける事になった。 「ええーいッ!」 ぼがっ! 門番二人を速やかに殺害した後で、ノーラが杖でドアを叩き割る。 「チーム・デルタ! エントリー!」 イノの指示に従い、彼女に続いて他五名が一斉に突入。 「なんだオラぁ!?」 口々に悪態をつきながら、構成員と見られる者達が、 明らかに護身用レベルでない武装を取り出している。 サブマシンガンやガトリングガン、ロケットランチャーなど 軍隊ともやり合える非合法武装がてんこ盛りだ。 この分だとミサイルが飛んで来てもおかしくないだろう。 「死ねえオラ!!」 ずだだだだだだだだ! ぼがんぼがんぼがん! 自分達の施設だというのに遠慮会釈無く重火器を叩き込んでくる ゲボラ・マフィアの構成員。警察が手に負えないのも無理は無い。 むしろ警察の装備ではどちらかというと話にならないだろう。 それこそ軍警察あるいは軍隊を投入すべき相手だと見られる。 やむなく物陰に隠れて一時的にやり過ごす。 「ちっ、鬱陶しいでござる……!」 重火器の相手は苦手なゲイルがぼやく。 「俺が行って来るZE!」 ラケルが凄まじい勢いで飛び出し、サブマシンガン一丁を破壊。 「にゃろう! クソったれめがっ!!」 だが、重火器の数はあまりに多すぎた。 ラケルはやっとの思いで回避に徹するが、 退き際を失い、何発か命中しそうになる。 「ラケルさん!」 レオナは小さな壷を手に取り、ラケルの姿をすぐに思い浮かべる。 「召壷(しょうこ)フォーシブルサモン!」 するとさっきまで前衛にいたはずのラケルが強制召喚され、 小さな小さな壷からにょきっと出てきた。 「うお? レオナ、お前かYO?」 「危なかったッスね。これ、なかなか使えるッスよ」 得心するレオナに、イノも頷く。 「これは図らずとも実戦テストという事になりそうね」 「ならば、これは私の出番でござろう」 弓を取り出したゲイルが一瞬だけ廊下に飛び出す。 だが、彼もまた家宝の力を発動させていた。 「残輪(ざんりん)アザーセルフ、発動!」 『質量を持った残像』がゲイルの通過した地点に残され、 ひたすら弓を構えて囮を兼ねた援護攻撃を行う。 射線も当然そちらに向かうため、時間が稼げる。 更に敵の兵員も何名か駆逐出来たようだ。 「銃を撃つ人手が足りねぇ、誰か呼べーっ!!」 奥の方から声がしてくる。増援を呼んだらしい。 「ならば、ここは私の思いつきに任せてもらう」 レイビーは本を取り出す。コレも家宝である。 「想本(そうほん)インスパイアノート、我が閃きを具現せよ」 インスパイアノートに適当に書いた魔法コンセプトが、 魔力を代償に即座に具現化される。 ゲル状の不気味な物体が静かににじり寄り 敵の重火器の銃口や砲口を目詰まりさせた。 更にそのゲル状の物体は急加熱し、数千度の熱を放つ。 ぼばんぼがんどがん!! 火薬が暴発し、重火器類はすぐ使い物にならなくなった。 「うわあああああッ!?」 慌てて逃げ出す兵員達だが、勿論まったく逃がすつもりは無い。 「今度こそ俺の出番だZE! 色玉(しきぎょく)リコイルジュエル!」 ラケルの各関節部や身体の重要部分を守るように、 ビットのような、宝石のようなものが周囲に浮かび上がる。 それと同時に、魔力によってラケルの身体は強制的に宙に浮く。 両足の真下にもリコイルジュエルが配備されている。 「ソニックランナー、GO!」 ぼんッ! 足の下のリコイルジュエルが爆発。その重反動により、 ラケルは凄まじい勢いで前進する。 右折する曲がり角では左手を真横に掲げ、左手に配備された リコイルジュエルが爆発。急制動で強引に右折。 こんな無茶な軌道を繰り返し進み、強引に敵に追いついた。 「HAHAHA!」 肘を保護するリコイルジュエルの爆発の反動でパンチを叩き込む。 離脱する時は足もしくは手を保護するリコイルジュエルで退避。 反動だけで機動を取る無茶なヒットアンドアウェイを繰り返し、 その場にいた敵兵士全員を捻じ伏せるのに成功したラケル。 「フレイムバスター!」 「ウィンドバスター!」 「フリーズバスター!」 先程呼ばれた敵増援だろうか。魔法特化型の編成らしい。 重火器とは違った意味で鬱陶しい。 「私の出番ですね」 ノーラは周囲に鏡のような盾を顕現させる。 「鏡盾(きょうじゅん)カウンターミラーズ!」 次々叩き込まれる魔法をものの見事に弾き返し、 それらは術者に悉くヒットしていった。 打ち返された魔法を回避するような化け物みたいな者もいるが、 この程度の調練の度合いの兵では、どだい無理な話である。 ぼわっ! だが、跳ね返した火の魔法はたまたま術者を外れ、 ダイナミックにゲボラ・マフィア本部施設を火事にしてしまった。 「うぎゃあああああああ!」 逃げ惑う敵兵員。既に死傷者も出ているが、 そんな事イノ達には知った事ではない。 「最初からこうすれば話は早かったかもしれない」 むしろ乗り気ですらあった。 「そんな事言っている場合ではござらぬ、脱出を!」 「分かってる。施設より退避」 急かすゲイルの進言により、総員施設より脱出。 「チーム・アルファ、ブラボー、チャーリーは出口を封鎖。 一人たりとも逃がさないで欲しい。賊は殲滅あるのみ」 イノの指示で、各員バリケードを設置する。 恐ろしいほどの手際の良さであった。 「イノちゃん、ボスの顔とか見なくても良かったッスか?」 「興味が無い。どうせ見ても滅するだけだから」 恐ろしい事を淡白に話すイノ。 もちろん正面を担当する主力部隊のイノ率いるチーム・デルタは 誰一人逃がすつもりも無く、インスパイアノートの力で 物理結界を展開し、逃げ道は完全に塞いだ。 これで相手はことごとく焼死、あるいは窒息死だろう。 だが、数分後…… ずばぁぁぁぁぁん! 建物をぶち抜いて、人型巨大兵器ライディング・フレームが 一機飛び出てきた。恐らく首領のものであろうか。 「このゲポラ=ゲボラ様を よくもここまでコケにしてくれやがったな! 警察は脅しに数百人殺すだけで済ませたが、 手前ェ等は皆殺しだ!このライディング・フレーム 『シャル・カーニ』で叩き潰す!!」 「……さるかに?」 「シャル・カーニだ!」 ボケ倒すレオナに律儀にツッコむゲポラ=ゲボラ。 「死ねぇい!」 ミサイルを乱射してくる。市街地である事もお構いなしだ。 「レオナ! 例のを!」 「ナノ・マシン! ピンポイント展開!」 シャル・カーニに向けてのみナノ・マシンが展開され、 彼の制御するミサイルは明後日どころか、何処へと知れぬ方向へ さっさと飛んで行ってしまった。 「さあ、このヘレティックガンホークの 実戦テストに付き合ってもらう。 あなたの存在意義は、もはやその程度にしかならないから」 イノはガンホークを構えて、高々とジャンプ。 「つぇいッ!」 一撃でメイン・カメラ…… ライディング・フレームの頭部を斬り落とす。 暴れるシャル・カーニ及びゲポラ=ゲボラには構わず、着地。 即座に砲撃モードに展開しなおし、斧の盾を構える。 跳弾は全てそれで弾き返すに至った。 「ガンホーク、フルバーストモード」 砲口から魔力が漏れ出てくる。魔力を出来るだけつぎ込み、チャージ。 「斬神斬魔流最終究極奥技!」 「ひっ!」 ゲポラ=ゲボラは不利を悟り、退避準備に入るが、遅すぎた。 ちなみに斬神斬魔云々は、イノのただの思いつきだったりする。 「運命弾劾穿!!」 ぎゅあああああああッ!! 閃光が闇夜を貫き、光を描き、そしてシャル・カー二を一撃で穿つ。 バリアのような防御装置を 展開していたようだが、まったく意味が無い。 ぼぼぉぉぉぉぉん! 空中で爆散し、ゲボラ・マフィアは首領や建物もろとも滅び去った。 「すげぇ……!!」 端で見ていた一部の市民が呆然と事の成り行きを見て呟いた。 それに気付いた魔神軍一同が近寄って言う。 「……終わった。思ったより時間がかかってしまった」 「いや早すぎるから充分!!」 彼等の見積もりでは持久戦に持ち込んで、 消耗したところで軍警察の救援待ちで 勝てるかと思っていたぐらいだ。 「早過ぎる……? やはり勇者軍と比べて軽く見られていたのね。 まあいい。覚えておきなさい。私達は魔神軍。 勇者軍のカウンターとして生きる者達の集団よ」 「はぁ」 と言われても市民には実感がまだ湧ききらない。 化け物集団なのが分かりきっている勇者軍ほど、 地域に浸透しきっていないのだ。 だが、この戦果を見れば勇者軍同様に 異様な集団だというのは分かる。 恐らく、これをきっかけに知名度は更に上昇していくだろう。 そう思うと、レイビーはほくそ笑むのを止められなかった。 と、格好良く決めていたところに、ポメラニアンが寄ってくる。 「きゃんっ」 「お散歩から帰って来たのね」 イノが優しく抱き上げてやると、ポメラニアンのクロは へっへっへっと犬らしいリアクションを取り、甘える。 「そ、それは?」 「ウチのワンちゃんよ」 妙に可愛らしい表現をして、一瞥もくれずに去って行くイノ。 「それじゃ、また何か大事があったら 魔神軍を遠慮無く呼んで下さい。 スポンサーはグリーン・クロスなので そちらでも受け付けますから」 「24時間いつでも、ってワケにはいかねぇが、 常識の範囲内でよろしくちぃーっス!!」 「はあ」 最後に、ノーラとラケルがしっかり売り込みして後を追う。 「……結局何なんだろう、魔神軍って?」 「よ、よく分からんがありがたやー、ありがたやー!」 盛り上がる民達は、口々に魔神軍の勇名を各地に広めた。 以降、魔神軍の勇名は悪名高きゲボラ・マフィアを叩き潰した 精鋭私設軍として各地に轟く事になり、いずれは勇者軍と 双璧を為す人類史上最強の私設軍となっていくのであった…… だが人々よ、記憶せよ。 この物語さえも、伝説の一端に過ぎない。 ましてこれは、その断章である故に…… <勇者の館R 完結>
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第二章-第二幕- 急襲の黒影 第二章-第一幕- 第二章-第三幕- アーム城へ急いで戻ったウォルフ王子は、 顔パスで警備を素通りし、走りながら城の中央部へ向かう予定だ。 そこが制圧されることは、城そのものの制圧と同義である。 それだけはアーム王家の面子にかけて、許すわけにはいかない。 とりあえず武器庫で手近な斧をひっ掴んで全速力で駆ける。 辺りには倒れている兵士達が気を失って、呻いている。 どうやら鈍器で殴り倒されたようであった。 中にはリールで拘束されているものもいる。得意なのだろうか。 どのみちかなりの数の兵を倒しているので、相当の手練れであろう。 「どこだ……!?」 気配がまったくない。感じられないのだ。 既にいないのか、分からないようにしているのか。 恐らくは後者だろう。 バツン! 「……照明が!?」 ブレーカーを落とされたようだ。城内の照明が一斉に消えて、 まさに暗闇に近い状態に陥ってしまった。 この状態で奇襲でもかけられれば、あからさまに不利である。 相手は一人とはいえ、一切の油断は出来なかった。 「ちいッ!」 一瞬感じた気配が敵かどうかは分からないが、 遠慮なくウォルフ王子は斧で斬り払う。 味方なら、恐らく気配を消してなど来ないはずだからだ。 敵と思しき人物は素早く回避する。 見事な跳躍だ。恐らくは一瞬壁に貼りついただろうが、 すぐに離れたのが音などから分かる。 それと同時に察した事もある。 最初からこの侵入者が自分を最大の標的として 忍び込んできたであろうということだ。 自分が来るなり真っ先に動いてきて、 ピンポイントで狙ってきているからだ。 それが証拠に、自らが建物に入ってからというものの、 他の兵士が倒れたりする音や悲鳴などがまったく聞こえない。 「…………」 神経を集中させて狙いを定めるウォルフ王子。 飛び込むタイミングを狙う侵入者。 まったく動けぬまま、約六十秒が経過する。 「!」 先に動いたのはウォルフ王子であった。 非常用に持っていたフラッシュグレネードを 放り投げたのである。 ビカッ! 「ぬう!?」 凄まじい閃光と爆音が周囲を包む。 城の人員の悲鳴が一部聞こえたが、それ以外の声が聞こえた。 その声が侵入者で間違いない。 ちょうど折りよくブレーカーを誰かが再度入れたようで、 照明の全てが点灯、ニンジャらしき者が見えた。 「腕前は認めますが、一人とはいささか無謀でしたね!」 ウォルフ王子が一撃を叩き込もうとするのを 敵ニンジャはかろうじて回避。反撃姿勢を取るが、 そこへマリー=ジーニアスの率いる作戦部が到着した。 一般兵士が主だった人員だが、マリーの実力は本物である。 もはやこのニンジャに勝ち目は無いだろう。 すると、ニンジャは初めてまともに口を開く。 「我の……実力……認める……か?」 異様な片言である。違和感と威圧感が半端ではなかった。 低く、野太く、恐ろしい声色である。それに加えて 鬼瓦のような独特な仮面も、他人の恐怖を増幅させる。 「何を今更!」 問答無用で斬りかかろうとするマリーを、 ウォルフ王子がとりあえず止めておく。 「王子、何故止める!?」 「あなたは本気ではありませんね? 何か目的があると見ましたが、真意を聞きましょう」 何か要求があって、ここまで来たのだろう。 それを察してウォルフ王子は訊いたのであった。 「我……名前……ホムラ=クロカゲ…… ニンジャ……ギルド……所属!!」 「クロカゲさんですね、ご用件は?」 「我……勇者軍……入りたい……入れろ! 実力……認めさせる……だから……忍び込んだ!」 「分かりました。では手続きを行いますので、人事部から人を呼びます」 「本気か、王子!? こんな危ない奴を入れるのか!?」 マリーは制止しようとしたが、 それをウォルフ王子に再度止められた。 「実力は本物ですよ、マリー。 このように癖のある人は入れておいて損は無いと思います」 「……確かにそうかもしれんが……すぐには信用出来んぞ。 それでなくてもロブという頭痛の種を抱えているのだ」 「まあ、様子見といきましょうか。 彼が何らかの差し金で来ているのか、そうでないのかは 人事部が聞き出してくれると思いますから」 あくまでストレートな意見のみを通して、 ウォルフ王子は、ようやく自分の玉座に座った。 が、ウォルフ王子は早速がっくり肩を落とすことになる。 志望動機はこういう事らしい。 『出来るだけ世俗から隔絶された世界でひっそりと暮らしたくて、 フレックスタイムで勤務出来て、なおかつ自分の修行の成果が 存分に発揮出来るであろう場所が欲しかった』からだそうである。 これを聞いて、マリーなどは膝から崩れ落ちるほど脱力した。 「そ、そんなアホな理由で勇者軍に……」 「ここは……勇者軍は修羅の生きる道だぞ。馬鹿か、奴は……」 こういった両者の態度も、勇者軍の任務内容を考えれば 無理からぬことだった。いくら自衛目的とはいえ、 超強敵とばかり戦うことが多いのだから、当たり前である。 ともあれこれだけの実力を示した者を 無下に追い返すわけにもいかず、 ホムラ=クロカゲは勇者軍情報部の人員として採用となった。 その後、彼はひっそりと誰にも気付かれずに出勤して、 誰にも気付かれずにマイペースに仕事をこなし、 誰にも気付かれずにひっそりと退勤するという生活を送るが、 勿論、非常時には出撃する事になる事は確実な人員となる。 しかしまあ、それはまた別の話である。 一方でウォルフ王子はマリーと共に、いよいよロバート達一行を 追撃するための部隊を編成し、出撃準備を始めるのだった。 一応、マイペースでもいいのでクロカゲも共に出撃する予定が入る。 彼は嫌がってはいなかったが、少々面倒そうに了解してくれた。 そして彼は、エリック=ルストとの合流を急ぐ―― <第二章-第三幕-へ続く>
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勇者死す。 機種:Mob,PSV 作曲者:伊藤賢治、JUKE弘井 発売元:ジー・モード(Mob)、日本一ソフトウェア(PSV) 発売年:2007年(Mob)、2016年(PSV) 概要 ジー・モード製作した携帯アプリのRPG。 魔王との戦いで勇者は相打ちとなった勇者が、神により復活し、5日間だけの命を与えられるというもの。 6日目になると勇者は死んでしまい葬式が挙げられるが、周回プレイとして何度でもやり直せる。 2016年にリメイクとしてPS Vita版が日本一ソフトウェアから発売された。 音楽はイトケンこと伊藤賢治氏がメインテーマなどを作曲。 サントラは伊藤氏が作曲したものを収録した『オリジナルサウンドトラック イトケン・リミテッド』が発売されている。 またPS Vita版の限定版に1部の曲を収録した『サウンドセレクションCD』が付属。ただしこちらはラストバトルやエンディングの曲は未収録。 収録曲(サウンドトラック順) 曲名 作・編曲者 補足 順位 『サウンドセレクションCD』収録曲 勇者死す。メインテーマ 伊藤賢治 タイトル画面 宿敵 決戦 ボス戦 王都 グランダム城下町 迷宮 ダンジョン 静寂 旅の空 伊藤賢治 ワールドマップ 躍動 通常戦闘 死闘の果て 強モンスター戦 快活 憂愁 英雄の葬儀 伊藤賢治 勇者の葬式 永久(とわ)に ユリアのテーマ フローラのテーマ リューのテーマ サラのテーマ メリーアンのテーマ ナオミのテーマ ビビのテーマ ヨナのテーマ ベラナベルのテーマ 『オリジナルサウンドトラック イトケン・リミテッド』のみ収録 未来のために 伊藤賢治 ラストバトル 悠久の調べ エンディング サウンドトラック 勇者死す。 ~オリジナルサウンドトラック イトケン・リミテッド~ 伊藤賢治氏が作曲したBGMが収録。 勇者死す。 サウンドセレクションCD PS Vita版の限定版に付属。1部のBGMが収録。
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二つ名:笑顔の勇者 名前:ニコラス 人々の笑顔を守るために戦っていた勇者。しかしとある魔王に悲しみの心と辛い記憶を奪われ笑うことしかできなくなった。 すごく大事なことを忘れてしまった気がして奪われた心を探している。 [オリジナル設定] 本名はニコラス。男性だが中世的な外見なのでしばしば女性と間違えられる。 かつてはここ(∞WARSの世界)とは別の異世界の勇者として人々の笑顔を守るべく戦っていたが、最後の魔王(いわゆるラスボス)を倒した際に自らの命も失ってしまう。世界を救った勇者は蘇らず、用無しの魂として長いあいだ彷徨っていた所を女神に拾われ、新たな舞台の勇者として復活した。 その時に女神のはからいで元の世界にいた時の記憶は消去されたが、記憶操作の影響で性格が変わってしまい、一時期かなりの戦闘狂として有名になる。楽しげに笑いながら魔族をなぎ倒す様子から「笑顔の勇者」と呼ばれるようになったが、記憶を失った心の底で感じるむなしさは戦いで埋まることは無く、彼の心はかなり荒んでいた。 ある日笑の魔王に挑んだ際に笑の呪いを受けて以降は穏やかな性格に一変した(ついでに笑顔の表情しか出せなくなった)が、勇者である彼の肉体には呪いに抵抗する力があり、呪いが弱まる時期だけは豹変してかつての乱暴さが戻り、笑の魔王への憎しみの固まりになる。 笑の呪いに振り回される日々だが、彼は新たにできた多くの勇者の仲間と過ごす日々を大切にしたいと思っている。 【目標】 ・仲間との平和な日々を守る ・笑の呪いに打ち勝つ(笑の魔王討伐、解呪など方法は問わない) 【メモ】 ・銀鏡の勇者とパーティーを組んでいる。崖から落ちそうになっていた所を助けたことがきっかけらしい。時期としては笑の呪いを受ける前である。 現在は彼女の大食いや変身能力に振り回されながらも旅を楽しんでいるようだ。笑顔は銀鏡の恋心に気付いている・・・のかなぁ?にぶちんで気付いていないのかもしれない・・・どんびき・・ 彼の日記には銀鏡の勇者、蛮の魔王、そして笑の魔王について書かれていることが多い。 ・好き: 日記を書くこと 笑うこと 蛮の魔王の追っかけをすること ・嫌い: 日記を書き忘れること 笑わないこと 蛮の魔王の追っかけの邪魔をされること 【能力】 ・魔法と大剣でオーソドックスに戦う。近接戦闘の方が好みらしい。 ・普段のステータスは力と素早さが勇者の平均よりも高め。笑の呪いが弱まる時期はバーサク状態になり、能力が全体的に強化される。
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勇者ヨシヒコと魔王の城 出演者の情報 何でも良いので 情報募集しています 名前 コメント
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二つ名:切望の勇者 名前: 詳細: 武も学も富も持つとある屋敷のお嬢様。彼女の婚約者は勇者であったが魔界に行ったまま帰って来ない。彼の帰りを待ち続け、ある日彼女は唯一持っていなかった宝石、勇者の証を得る その他:
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勇者ロト ランク:C G(ドラゴンクエストⅢ) 属性 ・男 ・独身 ・勇者 ・人間 敗北条件 大魔王ゾーマが生きていると敗北 能力値 ESP能力レベル 5 ESPパワー 25 耐久力 5 精神力 6 特殊能力 ・変化の杖[全般][支援] 「変身可能」を得る。 ・王者の剣[戦闘][格闘(武器):2] 他の格闘武器と同時に使用できない。 ・光の鎧[戦闘][防御][常動] LV:3以下の[格闘]以外の攻撃を自動的に防御する。 その戦闘で1度でも使用された「光の鎧」に対して、 LV:4以上の攻撃が成功するとこの能力は生きている間失われる。 ・ラーの鏡[戦闘][主要] Cカードの「ラフノールの鏡」を利用することで、 ラーの鏡の「催眠クリスタル」の効果を得る。 催眠クリスタル: 戦闘に参加しているキャラクター1人のシートを、 戦闘に参加しているキャラクター全員が見ることができる。 ・光の玉[戦闘][主要][EM] 「闇の衣」を破壊する。 備考 何もすることがない時はとりあえず光の玉を使っておくといい。 ESPパワーが少ないので殴りかかるのが常に候補として存在する。「呪文使うな。」 このキャラが見えた瞬間(E)陣営はマジな舌打ちをするので辺りを注視しておく。 Q.「光の鎧」を壊す時に鎧に対して攻撃を行えばいいの? A.はい。その場合ロト本人には損害判定は行われません。 追記:また、その戦闘中に一度は光の鎧による防御が発動している必要があります。(14/06/25) Q.闇の衣を所持しているキャラクターは誰? A.現在は大魔王ゾーマとネルガルが所持しています。 このキャラクターへの意見 名前 コメント
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二つ名:観察の勇者 名前: 詳細: とある機関で勇者と魔王について研究している研究員。勇者になった時点で研究対象となるはずだったが日頃の熱心すぎる研究態度から隔離は免れている。最近は特定の勇者を熱心に観察している その他:
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第三十章-第四幕- 勇者軍の矜持 第三十章-第三幕- 第三十章-第五幕- 勇者軍主力部隊と民政部の連合軍は、 FSノア49の情報を得たものの、 自爆コマンド挿入もしくは内部からの機能停止に失敗し、脱出。 やむなく勇者軍最高軍機を発動させる事に決定し、 ユイナ姫の指示のもと、足止めと時間稼ぎに徹さざるを得なかった。 この戦いが始まって、既に長い時間が経過している。 上で戦っていたメンバーも、下で戦っていたメンバーも 既に消耗の度合いが極限に達し始めていた。 「ええい、使うしかないか! 聖杯ライブチャージャー!」 テディが聖杯ライブチャージャーを発動させると、 ある程度全員が持ち直す事に成功するが、 いかんせん、人数が人数な上、道中でも使っているので 力を使い尽くしても完全回復には及ばなかった。 それでも勇者軍と民政部のメンバーは奮闘を続けていた。 特に光っているのはホークマンEXエディションに搭乗している メロウであった。新たにやってきたホークマン部隊と一緒に ワンバウンドミサイルを投げまくって辺り構わず FSノア49の兵装を、魔力を使わずに破壊し続けていた。 とは言え、そんな荒業もいつまでも使えず、 やはり弾数不足の印象は拭えそうになかった。 「マグマロックストライク!」 テディも懸命に地熱を帯びた岩石を打ち出すが、届かない。 「無駄な力を使うな! 有効な反撃が出来る奴だけ反撃! それ以外の奴は防御か回復に徹しとけ!!」 ヴァジェスの指示が飛ぶが、そこにS-LINKシステムを 展開したままのシルヴィアの指示が割り込む。 「ユイナ姫からの指示を受けました。伝えます! 隊長、ユイナ姫、ライナスさん、 それとテディさん、セシリアさん、私の六名は 大きく後退し、可能な限り力を温存して下さい」 「このタイミングでそれを言うの!?」 セシリアは驚愕し、逡巡しながらもやむなく従う。 セシリアが従った事で、他の者も続いた。 他のメンバーを見捨ててしまうように見えるのは問題だが、 作戦の都合があるというのならやむを得ない。 それにわざとメインメンバーだけ選抜したのも 意味があるはずだ、と彼等は思った。 ユイナ姫は爆風が吹きすさぶ中、シエルに近寄る。 「シエル! 出来るだけの支援魔法をレプリアーツにちょうだい! ストック限界いっぱいまで貯めこんで、上で使うから!」 「上ってどこよ!?」 「高度一万メートルを想定してるわ。早く!」 「え、ええ!? わ、分かったわ。 リフレクトフィールド! リフレクトフォース! マスター・ブースター! これでどうよ!?」 「ありがとう、後は私達で決着をつけるわ。耐えて!」 「ここまで無茶を認めたんだから負けんじゃないわよ!」 シエルの叱咤激励を受け、ユイナ姫はひた走る。 そんな事をやってる間にも、ミサイルが飛び交い、 機銃が入り乱れ、光学兵器で更に狙い撃たれる始末だ。 S-LINKシステムの力で、光学兵器を最優先で破壊し、 何とか瞬殺される危険だけは避けてはいるものの、 ギースが、コンラッドが、ミミックマンが、そして多くの者が、 次々と戦闘不能になっていき、残ったメンバーに 救出されて、何とか生き永らえる地獄絵図と化してきた。 「きゃあッ!?」 「お姉ちゃん!!」 ルシアが大怪我を負い、戦闘不能になった。 それをかばってソニアが立ちはだかり、 その攻撃が集中してきた。 「アースナックル!!」 ごがんッ! 土塊を腕に纏い、シールド代わりにして弾を受ける。 「くぅぅぅぅ!」 後ろでは更にゼクウが被弾して、ダウンしていた。 立ち上がろうと何とかもがいているが、間に合わない。 尚更退却など認めるわけにはいかなかった。 「うぅぅぅぅぅ!」 ジルベルトも助けに行きたかったが、 作戦をフイにしては全滅確定だ。それだけは認められない。 彼は拳を握り締めていた。誰でもいい、助けて欲しい。 ソニアさんを助けて欲しい。ただそれだけだった。 「ソニアさん……ソニアさん!」 断腸の思いで呼ばわると、ソニアの目が血走る。 キレた。土壇場にしてキレた。 それ以外に表現の仕様が無かったのだ。 「私を誰だと思っているの! 甘く……見るなぁッ!」 ずどんどがん!! その瞬間、どこからかの狙撃でミサイルが叩き落された。 ソニアの安全がある程度以上、確保されたのだった。 「よく言ったぁッ!!」 そして、長い間ジルベルトさえも聞いていなかった声が 大音声として戦場に、強く、熱く、激しく轟いた。 戦場の空気が変わった。いや、その時戦局は急転さえしてみせた。 究極の危機に、遂にその重い腰を上げ、現れたのだ。 七大戦線を戦い抜き、総帥としても人並み外れた働きを見せ、 まさに超世の傑と呼ぶべき、ジルベルトとはまた違う、 勇気と、機智と、技との象徴、人類史上最強にして、 絶対勝利の真聖勇者――その名も! 「俺の名はエドウィン! エドウィン=ストレンジャー!!」 俺は……勇者を凌ぐ者なり!! そして!!」 エドウィン=ストレンジャー、ジルベルトの祖父だった。 彼の後ろから、一人の女性も姿を現す。 「その女性は私の義理の娘になるかも知れない人ですの。 私の目の前で、手を出そうなどと、許しませんの」 その娘にして、ジルベルトの母、エリシャもいた。 その後ろからはレイリア、エイリアを筆頭に出るわ出るわ、 現役、引退、特務戦技教導隊を問わず、勇者軍メンバーが 総勢五十名以上の大進撃を開始していた。 勇者軍の五十名とは、並の人類五万人に匹敵する戦力だ。 「ここまでの戦い! まずはよくやった、ガキ共!」 エドウィンは立て続けに味方を激励する。 その後ろではレノールなどの回復呪文が広範囲に及び、 多くの傷付いた仲間が癒されていく。 「お前達の実力はその程度か、などと野暮なことを 言うつもりはない! だが俺は敢えて言おう!」 エドウィンは鞘ごと剣を地面に突き立て、吼える。 「誇れ!」 エドウィンの気迫が天を震わせる。 「ただ誇れ!!」 そして大地が唸る。 「自らが勇者軍である事を!! ただそれだけをだぁッ!!」 「お……」 まず、リゼルが立ち上がり、多くの者が続き、そして―― 「おおおおおおおおおおおおおおッ!!」 これまた負けじと気迫を込めて立ち上がる。 「来たか、エドウィンめ、お節介な――」 その中で、ヴェルファイア首相だけが、何故か複雑な心境を吐露した。 「凄い……」 ジルベルトが見たこともない祖父の剣幕に驚きを隠せない中、 セシリアだけは一人落ち着き払っていた。 「レイリアとエイリアの差し金ね。あの子等の考えそうなことよ」 「分かるんですか!?」 ライナスが驚く。 「先陣を切ってきたのはあの二人よ。立案者が先頭に出るのは、 勇者軍の作戦ではよくある事だもの、でしょ?」 「まあ、確かに」 「そして流石はエドウィンね。流れを変えたわ。勝ったわね」 「いや、だが例の軍機とやらは来ていないぞ!?」 テディが慌てるが、あくまでセシリアは、 そしてユイナ姫は冷静であった。 「いえ、来ました。天を照覧あれ!!」 遠くの空から何かが来るのが見えた。凄まじく巨大な何かだ。 「あれは――!?」 シルヴィアも、ジルベルトも驚いた。 空を飛んでやってきたのはアーム城。 彼等の、勇者軍の最重要拠点であった―― <第三十章-第五幕-へ続く>
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バトルロワイアル開始から十五分。 「ククリー!!ジュジュー!!ああもうこの際オヤジやトマでもいいから助けてくれー!」 紅いバンダナに金の短髪、画風のせいで異様に幼い顔立ち。 魔法陣グルグルの主人公、勇者ニケは絶賛命の危機に瀕していた。 何故か、理由は単純である。追われているからだ。 「全く、呆れたすばしっこさね。逃げ足だけは英霊並みよ?貴方」 全速力で短い手足をしゃかしゃか動かして逃げるニケの前に、追跡者が空から降り立つ。 褐色の肌に桜色の髪、紅と黒の外套が印象的な少女。 クロエ・フォン・アインツベルンは呆れを顔に浮かべながらその手の双剣を獲物へと向けた。 「ままままま、待てって!早まるな!話せばわかる!」 「分からない。私は優勝して願いを叶える権利が必要だもの」 「落ち着けよ!こんな悪趣味なゲーム始めるボスが願い叶えるとでも思ってるのか!?」 必死に声を張り上げて、説得しようとする。 ニケから見たこの少女はきっと自分よりずっと強い。 戦ったら負けるどころではない、殺されてしまう。 だから、今は口先をフル回転させるほかなかった。 …それでも勇者かと、突っ込んではいけない。 「それでも、よ。悪いけど私の未来のための礎になって頂戴」 「ちょちょ、タンマ!タンマ!待ってくれ、お願い! ほ、ほら。お前の願いを聞かせてくれよ!場合によっちゃ俺が協力できるかも……」 「アナタが?悪い冗談もいい所だわ」 「そう言うなって!俺はこう見えても結構すごいんだよ!」 「……一応聞いておくけど、貴女の何がどう凄いの?」 よし、釣れた。 ニケは心の中でガッツポーズをとる。 次だ、次にこの説得の全てが掛かっている。 普段は余りひけらかしたりしないけれど、この場合は緊急事態だ。仕方ない。 ずびしっ!とサムズアップして指を自分に向けて宣言する。 「実は俺……勇者なんだ」 「あっそう。遺言はそれでいい?」 あっれー? 全然効果が無かった。そりゃあもう、哀しいほど。 春先に出てくるアレな人を見る目を向けられていた。ちょっと泣きそうになった。 ショックでがくりと情けなく項垂れ、地に這いつくばる。 そんな獲物の姿を見て、弓兵の少女はどうにも気が抜けるとため息を吐いた。 「…はぁ。そうね。私も鬼じゃないし、殺される理由ぐらいは冥途の土産に教えてあげましょうか」 「そ、そうそう!冥途の土産をもっとくr…うおおおっ!!」 「調子に乗らない。言い終わったらきっちり死んでもらうんだから」 ぱぁっと何か勝手な希望を見出そうとしている少年を諫めるように剣を投げる。 慌てて上体を逸らすことで躱した自称勇者の様を醒めた瞳で眺めながら、空を切って帰ってきた剣をその手に収め、胸に手を当てる。 「さっき、貴方は私の願いに協力できるかもって言ったけど、それは無理よ」 「まぁまぁ落ち着いて。取り合えず言ってみ?言ってみなけりゃ分からない───」 「私、もう永くないの」 「………っ!?」 さっきまでおふざけの様に百面相をしていたニケの表情が強張る。 殺し合いに巻き込まれたのに緊張感の欠片も無いお気楽極楽な自称勇者様のくせに。 そんな顔もできるんだ。 そう思いながら、クロエは続けた。 「不治の病…みたいなものだと思ってくれればいいわ。 此処から生きて帰れたとして、もうあと数日も生きられればイイトコでしょうね」 そんな時にこの殺し合いに呼ばれて。 見せられたのが、二人の兄弟が殺され、そして生き返る姿だった。 死の間際に治療した、と言う話なら彼女が知る魔術と言う技術でも可能だ。 だが、首が切断され、誰が見ても即死の状態で復活させたというなら。 それは最早魔法の領域だ。 「どうせただ脱出しただけじゃ未来(さき)が無いなら… 一縷の希望に縋りたいと思うのが人情ってものでしょう?」 そう言って、少女は俯き、ふっと笑った。 諦観の色を帯びた笑いだった。 これで話せる理由は全て。 納得は出来ないだろうけど、死んでもらう以外の選択肢は無い。 せめて苦しまない様に、一撃で息の根を止めてあげなければ。 心のどこかが軋む音を聞きながら、弓兵の少女は獲物を見据える。 「───?」 だが獲物の表情は先ほどまでとは違っていた。 泣いたり謝ったり、騒がしかった顔つきは今や別人の様で。 冷や汗は垂れていたけど、この絶体絶命の窮地において、彼は不敵に笑っていた。 「……一つ聞いていいか?」 「…まぁいいわ、一つだけよ」 「殺し合いに優勝できたとして──それでめでたしめでたしになると思ってるのか?」 「え…?」 流石に、看過できない発言だった。 だって、そうだろう。 優勝者の身の安全は保障される、その前提が崩れてしまったら。 「こんなゲームを仕掛ける奴が、一回上手く行って満足すると思うか?」 「それは……」 「優勝した奴がもう一回連れてこられない、何て──誰が保証してくれるんだよ」 仮に優勝できて、願いを叶えられたとしても。 そこから暫く経って、もう一度殺し合いに拉致されない保証は、あるのか? もし、そうなったとして、自分はまた優勝できるのか? 自称勇者の指摘にふと、考えが過ってしまった。 「賭けてもいいね。あの乃亜って奴は何が目的なのかは知らねーけどさ。 ゲームが上手いったらもう一度殺し合いを開くよ。 そしてそうなったら前回優勝者なんて美味しいキャラ、見逃すはずがない」 「随分自信満々なのね…根拠はあるのかしら」 勿論あるさ、と。 不敵な笑みを深めて、ずびしっ!とクロエを指さしそして宣言した。 「美味しい物には2がある!後藤ヒロユキもそう言ってた!!」 こいつ、ちょいちょい訳の分からない事言うわね。 そう感じつつも、言いたい事のニュアンスは伝わってきた。 脳裏に浮かぶのは、アインツベルンによって与えられ、 実の母によって封印されてきた一つの儀式の知識。 聖杯戦争。 冬木の地にて、複数回試みた…と伝えられている魔術儀式。 それに照らし合わせて考えれば、目の前の自称勇者のセリフも一理ある…のかもしれない。 「…それで、あなたの言ってる事が本当だとして、 貴方はこの殺し合いや、私の問題を何とかする具体的なプランはあるのかしら?」 「うっ!い、いやー…それはこうご期待というか。何とかできたらご喝采というか…」 さっきまでの不敵な笑みは何処へやら。 今度は冷や汗をだらだら流しながら、しどろもどろになっている。 その様を見ているとどうにも気が抜けた。 説得と合わせて、決めていた筈の覚悟が鈍った。 「……貴女、名前は?」 「え?ニ、ニケだけど」 「そう、ニケ君ね。私はクロエ、よろしく。 貴方のバカな説得に免じて、今回は見逃してあげる」 双剣を消して、臨戦態勢を解く。 どうにも、興が削がれてしまった。 だが、自分の様を見て勘違いしかねない彼に、釘を刺しておくのは忘れない。 「言っておくけど、私は乗らないって言ってる訳じゃないわ。 今回だけ見逃すって話よ。貴女以外の参加者は襲うし、 貴方も次に会った時、このゲームを打破する計画に何も進展がなければ──」 弓兵(サーヴァント)として身体能力を使って、跳躍する。 同時ににっこりと、これまでで最高の笑顔を見せて。 「──殺しちゃうから。頑張ってね。自称勇者さん?」 その言葉だけを残し、制止する暇もなく。 クロエと名乗った少女は、夜空に吸い込まれるように消えていった。 一人残された勇者はただ、天を仰いで…盛大に頭を抱えた。 「えらい約束をしちまった……」 正直、このゲームをどうにかすることも、クロエの体の問題も。 具体的な展望は何一つとして無かった。 え?ていうかクロエの体の問題も俺何とかしなきゃいけないの?という心境だった。 そうして暫く頭を抱えて…やがてはぁ、とため息を吐きながら立ち上がる。 「……ま、担ぎ上げられただけのダメ勇者だけど、偶には勇者らしい事もしてみますか」 一人の少女も救えないで世界を救う事は出来ないだろうし。 諸々が丸く収まったらパンツ見せろ位は要求してもいいかな、と。 喜劇舞台の勇者様はそう考えながら、改めてバトルロワイアルに挑むのだった。 【勇者ニケ@魔法陣グルグル】 [状態]:健康、不安(小) [装備]: [道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3 [思考・状況] 基本方針:殺し合いには乗らない。乗っちゃダメだろ常識的に考えて… 1:とりあえず仲間を集める。でもククリとかジュジュとか…いないといいけど。 2:クロの願いに対しては…どーすんべこれ…… ※四大精霊王と契約後より参戦です。 「見逃すつもり無かったのに、どうしてかしら」 私の体には未来がない。 この殺し合いからうまく抜け出せたして、生きていられるのはせいぜい数日。 だから、優勝以外に道は無いと思っていた。 でも、ニケ君と出会って。 只のバカのだと見ていた彼が、意外な視点からこのゲームの前提を揺らがせて見せた。 きっとそれで、抑え込もうとしていた、心の贅肉って奴が出てきてしまったんだと思う。 でも、それはこれで店じまいにしなければならない。 「ごめんね、ニケ君。貴女はきっと……間に合わないわ」 ごそごそと、胸元からある物を取り出す。 それは一個の紅い宝石。 支給品の説明では賢者の石、と銘打たれていたエネルギー増幅装置。 魔力が亡くなれば消え得てしまう私にとっての生命線であり……殺すための、武器。 これを使って戦い、これを使って殺していく事になるだろう。 それを止めるには…どうあってもあの勇者様は間に合わない。 だから、一言詫びを入れた。 届くことのない、謝罪を。 「次に会う相手は、彼みたいな奴じゃないと良いけどね……」 そうでなければ、決意がまた鈍ってしまいそうだったから。 ……この時、一つ思い至った事がある。 何故、彼の様な人間に、刃を振り下ろす気が鈍ってしまったのか。 あの無邪気で、騒がしい感じが、知っている相手に似ていたからだ。 そう。文字通り、魂を分けた姉妹に─── 「助けてよ…イリヤ」 【クロエ・フォン・アインツベルン@Fate/kaleid liner プリズマ イリヤ ツヴァイ!】 [状態]:健康、若干自暴自棄気味 [装備]:賢者の石@鋼の錬金術師 [道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2 [思考・状況] 基本方針:優勝して、これから先も生きていける身体を願う 1:とりあえず、覚悟を決めたいところね。 2:ニケ君には…ほんの少しだけ期待してるわ。少しだけね。 [備考] ※ツヴァイ第二巻「それは、つまり」終了直後より参戦です。 ※魔力が枯渇すれば消滅します。 018 ある名も無きあいの唄 投下順に読む 032 忍者と極道 時系列順に読む START 勇者ニケ 012 カサブタだらけの情熱を忘れたくない START クロエ・フォン・アインツベルン 003 俺が死ぬまで治らない